こんにちは。きのか特許事務所の弁理士の室伏です。
このシリーズでは、知財に馴染みのない方に少しでも知財に興味を持ってもらうために、身近にある知財をご紹介します。
第5回は、青・白・黒といったらアレ!MONO消しゴム(トンボ鉛筆社)です。
ちなみに前回の記事はこちらです。ご興味ある方、是非ご覧ください。
MONO消しゴムと言えば、青、白、黒のトリコロールカラー。ぱきっとした色の組み合わせが印象的です。
消しゴムに対してこの色の組み合わせは商標登録されており(商標登録第5930334号)、MONO消しゴムを製造販売するトンボ鉛筆社しか使えません。
MONO消しゴムは1969年に生まれました。デザインは変われど、初代からずっとこの色の組み合わせであるそう。
第3回の記事において、「色彩のみからなる商標」はよほど有名でなければ登録を受けることができないことを説明しました。しかしトンボ鉛筆社は長年の企業努力があり、2017年に「色彩のみからなる商標」の登録を受けることができました。
MONOと言えば、今となっては消しゴムですが、MONOブランド自体は、実は鉛筆から始まりました。当時のMONOの消しゴムは、「MONOの鉛筆のオマケ」という位置づけでした。1ダースの鉛筆に1個つけられていた消しゴムが「よく消える」と評判になり、消しゴム単体で製品化することになったようです(参考)。
MONOは、もちろん文字としても商標をとっています(商標登録第0563938号)。こちらは1959年に出願されています。
ちなみにトンボ鉛筆社の商標を調べていくと、MONOという商標を出願する7年も前にHOMOという商標をとっており(商標登録第0435496号)、1957年に「HOMOホルダー」というシャープペンシルを発売していたようです。当時は、シャープペンシルのことをレッドホルダーと呼んでいたようです。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。